「配当金で不労所得生活!」という夢に憧れて、5年間・700万円以上を米国高配当ETFで運用してきました。
しかし2026年、私は420万円分のETFを全売却してインデックス投資信託にスイッチング。
この記事では、なぜ資産形成期の20〜30代が高配当株投資を選びすぎるべきでないのか、実際の数字と失敗談をもとに解説します。
- 高配当ETF(SPYD・HDV・VYM・AGG)5年間の運用実績
- 420万円を売却してインデックスに切り替えた5つの理由
- 高配当株投資が本当に向いている人・向いていない人
- 新NISA枠で高配当株を持つことの落とし穴
保有ETFの詳細と売却結果
まずは実際の数字からお見せします。
私が保有していたETFは、SPYD・HDV・VYM・AGGの4種類。
2025年末時点の評価額は約746万円、年間配当額は約24万円(取得額ベースの利回り約4.4%)でした。
2020年に購入を開始してから、これまで受け取った配当金の総額は84万円。
2023年までは全力で買い増しを続けていましたが、今年に入って旧NISA口座のSPYD以外のETFを全て売却しました。
売却結果:
- 売却額:27,152.69ドル(4,235,395円)
- 手数料:56.17ドル
- 税金:5.6ドル
売却した420万円は、全て投資信託にスイッチングしました。
- FANG+:180万円
- S&P500:150万円
- オルカン:90万円
高配当株投資のメリット(公平に評価)
批判だけでは不公平なので、まずは実際に感じたメリットを正直にお伝えします。
1. すぐに使える現金が手に入る
インデックス投資の評価額って、マネーフォワードで見られても日常生活には何も影響しないですよね。
一方の配当金は「今すぐ使えるお小遣い」。ETFを購入した次の配当月には現金が振り込まれて、自分の資産が働いてスタバ代を稼いでくれる感覚を早期に味わえます。
これは投資のモチベーション維持に最強でした。
2. 暴落時が「バーゲンセール」に見える
株価が下がると計算上の配当利回りは上がります。だから暴落も「安く買えるチャンス!」とポジティブに捉えられる。
個別株と違ってETFであれば、どんな暴落時でも多少は配当金が振り込まれるので、メンタルにとても優しい投資です。
3. 「自分だけのお宝株」に育つ夢がある
増配によって、取得額ベースで利回り10%超え!なんていう自分だけのお宝株に育つ可能性もあります。
自分のリサーチ力と判断力でお得な銘柄をGETできるかもしれない、というシンプルな楽しさがあります。
4. 出口戦略が全自動
老後に自分が何歳まで生きるか分からない中で資産を切り崩すのは勇気がいります。
配当金なら株数を減らさずに勝手に現金が振り込まれるので、出口に悩む必要がありません。
高配当株投資の現実(5年間で気づいたこと)
では、実際に420万円規模で持ってみて気づいた「現実」をお話しします。
入金額が意外と不安定
SPYDは年4回しか配当が入りませんし、配当額も毎回異なります。さらに為替の影響も受けるので、正確な入金額の予測は難しいです。
プラスアルファのお小遣いならいいですが、メインの収入源にするには扱いづらいと感じました。
タイミング投資のプレッシャー
出口は考えなくていいですが、入り口はよーく考える必要があります。
良いタイミングで買えないと、その後ずっとの利回りに影響します。個別株なら減配・倒産リスクのチェックも必要で、リサーチの時間と精神的コストは決して小さくありません。
確定申告が面倒
米国ETFは二重課税されているため外国税額控除が使えますが、その還付のための確定申告が手間です。
確定申告をするとふるさと納税のワンストップ特例が使えなくなるなど、他の控除との兼ね合いも考える必要があります。
正直、成長が物足りない
ここ5年、私が持っていたSPYDについては、増配も株価値上がりもコロナショックからの復活スピードも、インデックスと比べると正直「うーん…」という感じでした。
高配当を出す銘柄は成熟した企業が多いので仕方ないのですが、夢を見ていた分インデックスとの差が大きくて辛かったです。
それ、4%ルールで良くない?
楽天証券では定率・定額で設定できる投資信託の自動取り崩し機能があります。
投資の目的が基礎生活費の足しにすることなら、現金を受け取るタイミングを自分で調整できる投資信託の方が合っていると思いました。
月1万円の配当金は本当に必要だったのか?
新NISAが始まって、生活費を抑えて毎月20〜30万円を投資に回している中で、ふと気づいてしまいました。
配当をもらう(税金を引かれる)→ その残りでまた株を買う(手数料もかかる)。
最初から「分配金なし(再投資型)」のインデックスファンドを持っていれば、税金も引かれず手間もかからず、もっと資産が増えていたはず。
配当金を受け取ったら、ちゃんと日本円にして楽しく使ってください。配当金再投資は行動として意味不明すぎます。
税金の罠:控除があるからお得は本当か?
「米国ETFなら外国税額控除があるから大丈夫!」と思っていました。私もそう思っていました。
でも、控除を受けるために確定申告することで所得に算入されてしまうという最大の落とし穴があります。
実際の手残りは約72%
米国ETFの配当金は日本・アメリカ両方の税金がかかります。両方を差し引いた後の手残りは約72%。
外国税額控除で一部は取り戻せますが、確定申告すると合計所得金額が上がり、他の恩恵を失ってしまう可能性があります。
保育料が上がるケースも
保育料は世帯の「住民税の所得割額」で決まります。
米国ETFの二重課税を取り戻すために確定申告すると、その配当金が住民税の計算対象に加算されます。その結果、住民税が上がり、保育料のランクも上がってしまうのです。
なお、投資信託の売却益では、この現象は起こりません。
| 項目 | 配当金(控除を受ける場合) | 投資信託の売却(特定・源泉あり) |
|---|---|---|
| 税率を下げる方法 | 確定申告が必要 | 不要(最初から分離) |
| 所得への算入 | カウントされる(保育料等に影響) | カウントされない(影響なし) |
| 手間 | 毎年確定申告が必要 | 何もしなくてOK |
取り崩しの方が実質税率が低い
前提:100万円で購入した資産が200万円(2倍)に成長。4%分の80,000円を受け取る場合。
| 比較項目 | 高配当株(配当金) | 投資信託(取り崩し) |
|---|---|---|
| 手にする金額 | 80,000円 | 80,000円 |
| 税金がかかる額 | 80,000円(全額) | 40,000円(利益のみ) |
| 引かれる税金※ | 16,252円 | 8,126円 |
| 手元に残る現金 | 63,748円 | 71,874円 |
※所得税・住民税あわせて20.315%で計算。投資信託の場合、売却した8万円のうち半分(4万円)は元本なので税金がかかりません。
どちらも同じ8万円を手にしていますが、投資信託の取り崩しなら支払う税金はちょうど半分で済みます。
新NISAの1,800万円枠を無駄遣いする問題
課税口座の話だけでなく、新NISA枠でも問題があります。
- 投資信託(オルカン等):内部で自動再投資されるため、NISAの非課税枠(1,800万円)を消費せずに複利が効く
- 高配当株:配当を受け取って再投資すると、その分だけ非課税枠を使い切ってしまう
高配当株は今すぐ現金を受け取れる代わりに、複利の恩恵が受けられません。
新NISA枠に上限がある以上、「現在の現金」と「将来の資産成長」のバランスをよく考える必要があります。
高配当株は誰が買うべきか?
これまでの話を踏まえた、属性別のおすすめ度です。
| 属性 | おすすめ度 | 理由 |
|---|---|---|
| 資産形成期(20〜30代) | ★★☆☆☆ | 枠の効率が悪く、資産最大化を阻害する |
| FIRE達成後の人 | ★★★★☆ | 資産を増やすより「今のお金」が必要なステージ |
| 高齢者・超富裕層 | ★★★★★ | 効率よりも「毎月の現金(年金代わり)」が心の安定になる |
まとめ:高配当株は「ちょっと贅沢な趣味」だった
この記事の主張は「高配当株投資はやめろ!」ではありません。
高配当株投資には高配当株投資なりのメリットがありますし、すでにお金を持っている人が資産を切り崩す手間を省いて自由に使うための優秀な出口戦略だと思います。
私自身も趣味で日本の高配当個別株投資は続けています。あくまでも「趣味」として割り切って。
ただ、もしあなたが「早く資産3000万円・5000万円に到達したい!」という段階なら、目先の現金が振り込まれる高配当の魅力に惑わされすぎないようにしてください。
資産形成を頑張りたい若い世代は、複利の力を最大限活かせるインデックス投資を運用資産の9割でいいと思います。
そして、せっかく高配当株をやるなら、「生活費口座に日本円で自動的に振り込まれる仕組み」をしっかり作って、今の生活を豊かにするために使い切ってください。
雰囲気で高配当株に手を出して、遠回りした私の体験談が、少しでも皆さんの資産形成のヒントになれば嬉しいです。
